米を育て、食す喜びを子どもたちへ。

刈り取りから二週間。
稲木に掛けられた稲の束はすっかり枯れた色になりました。

この時点で籾の水分量(サンプル計測)は約14%。
最適な水分量は15%程度と言うことなので、少し干しすぎたかな?
今週は天候も良く、からっと晴れ上がった秋晴れが続きましたので、思いの外乾いたみたいです。
週末限定のこのプロジェクトは、ここ! というタイミングで作業が出来ないもどかしさがあります。
おまけにこのシーズン、運動会が目白押しで、参加者の中にも、稲刈りや脱穀に泣く泣く欠席という方も多くいらっしゃいました。
自然相手の作業はなかなかに難しい!

さて、約5ヶ月のあいだ、全7回に分けて行われたウィーラースクール美山銀輪米プロジェクトも、この脱穀をもって最終回となります。
ウィーラースクールで美山に訪れ、午前中のスクールに出た後、午後から米作り。
時には天候、生育の関係で、翌週にずれ込んだりなど、イレギュラーな出来事も多かった中、
子どもたちは本当に毎回熱心に取り組みました。
(いや、毎回遠方より運転してやってきてくださる保護者の方がほんまは大変かと…笑)

今回は、種籾から苗を育て、おまけに無農薬、無化学肥料、手植えに手刈り、稲木干しという、ある意味、素人には暴挙とも言える米作りに挑戦しましたが、見事、この実りを時期を迎え、籾にして実に292kgという大豊作に至りました。

(参考)
今回の田んぼの広さは4アール。通常10アール(1反)の平均収量が籾にして640kgから換算して、720kg相当の籾がとれたことになり、約15%の増収となります。
今後、籾すりをして玄米になった段階で約7割の分量に減る上、なかには機械ではじき飛ばされる未熟なくず米というのもありますので、最終的には、約200kg弱が玄米の収穫量ではないかと考えます。
当初の予定では180kgあれば御の字だったので、今回はまさに大成功ではないかと思います。

脱穀のあと、ご近所の竈をかりて2升のお米を炊きました。
藁を燃やし、たき付けを入れ、薪で焚きます。
そして、つるつるぴかぴかに炊きあがったお米を、
まず子どもたちみんなで食べました。

彼らはそのお米になにを感じてくれたでしょうか?

お米は、一人では作れません。
お米は、多くの手間をかけて作ります。
お米づくりは、自然の摂理に則って行われます。
お米づくりは、作る喜びと、それを食す喜びを教えてくれます。

彼らの経験と心の1ページに、
半年間取り組んだ土と水との対話が、しっかりと刻み込まれていることを
願ってやみません。

最後に、参加者の方から寄せていただいたメールの一節を引用させていただきます(無断で)。

田んぼの勉強会が無いとき、自転車を乗った帰りに
田んぼをのぞきに行って、稲の成長を幸せな気持ちで
拝見させてもらっていました。
黄色い稲穂が風にそよぐ上を、トンボがたくさん飛び回って
本当素敵な景色を見せてもらいました。
子供たちにも忘れて欲しくない、日本の田園風景です。


<ウィーラースクール 美山銀輪米プロジェクト 基本データ>
品種:キヌヒカリ
圃場:4アール(数年間耕作放棄地)
栽培:農薬、化学肥料不使用
   手植え、手刈り、稲木干し
収量:292kg(籾)


それでは、脱穀から試食の様子をご覧ください。

今回、本郷先生が古い足踏みの脱穀機を持って来てくださいました。
子どもたちはそれを一人ずつ体験します。

さあ、いよいよ脱穀機(ハーベスタ)の出番です。
さすが動力式だけあって、むちゃくちゃ早いです。

切り刻まれた藁くずはみんなで田んぼにばらまきます。
自然界には無駄なものは何一つありません。
刈り取った稲も田んぼに「全量還元」するのです。







最後はみんなで感想を話ながらの交流会。
地元の農家の方とも楽しいお酒を酌み交わすことができました。
皆さん、本当にお疲れ様でした。
このプロジェクトは次のシーズンも続きます!
(参加者募集!)